最近の研究論文


最近の研究論文の中からいくつかを紹介します。

ディジタルホログラム・位相計測・光複素振幅計測

ディジタルホログラムの革新を促す仮想干渉縞アルゴリズムの提案と検証 — 従来4枚のホログラムを必要とした位相シフト干渉法を2枚のホログラムで実現可能とする新規アルゴリズムにより、ディジタルホログラムを用いた各種応用の実用化を加速する。

シングルショットで高精度な光複素振幅計測技術、ホログラフィックダイバーシティインターフェロメトリの提案と検証 — 従来法に見られる空間補完処理を原理的に不要とし、高速かつ高精度な位相計測が可能になる。

光通信デバイス・モード分割多重通信システム

3Dホログラムを用いた空間モード分離装置の提案と検証 — この技術により、一本の光マルチモードファイバを多数のシングルモードファイバのように用いることのできるモード分割多重伝送の実用化が近づく。

3Dホログラムを用いた空間モード励振装置の提案と検証 — この技術により、一本の光マルチモードファイバを多数のシングルモードファイバのように用いることのできるモード分割多重伝送の実用化が近づく。

従来のディジタルホログラムにおいては、参照光が必須であったが、本論文では参照光を不要とする画期的な新技術を提案・検証している。モード分割多重通信における、空間モードの計測ならびに制御を容易に行うことができる。

3Dホログラムメモリ

従来のホログラムメモリでは参照光を必須としたが、本研究では、参照を必要としないまったく新しい光学ホログラム記録再生法を提案し検証している。また、空間位相情報を強度情報に瞬時に変換する新機能を提供する。

光情報処理・ディジタル位相共役・ホログラムディスプレイ

新規の光複素振幅生成技術である空間クロスモジュレーション法の提案と検証 — 簡易な構成で高精度な光複素振幅生成が可能であることから、空間モードの生成や3Dディスプレイへの応用が期待できる。

新規の光複素振幅生成技術であるデュアルフェイズモジュレーション法の提案と検証 — 本技術は2台の空間光変調器を並列的に用いることで、完全な複素振幅生成を可能にする。本論文では、これを応用したディジタル位相共役の実験に成功している。

前記ディジタル位相共役を発展された仮想位相共役を独自に提案している。仮想位相共役においては実光学系を用いることなくコンピュータ内で位相共役の処理を行うことが可能であり、柔軟性・可変性に富んだシステムを構築できる。応用事例として、仮想位相共役技術を用いた光断層撮影を提案し、本手法が機械的なスキャニングを実行することなく完全な3次元断層像の取得が可能であることを示した。